10月22日の衆議院選挙開票速報の中、フジテレビはボクシングのWBA世界ミドル級王座決定戦「エンダム×村田諒太」(午後8時14分〜同9時30分)を生中継した。

 

 スポーツ紙などの報道によると、平均視聴率は関東地区で20・5%を記録。これはフジの今年最高記録で、同時間帯のNHK開票速報の視聴率を上回った。フジは衆院選の投開票日ということもあり各局が選挙特番一色となる中、投票締め切りの午後8時頃に一度、出口調査による議席予測などの選挙報道に切り替え、その後に村田―エンダム戦を放送。テレビ東京の池上彰氏を起用した特番以外、どこも似たり寄ったりの選挙速報で、男性を中心にボクシング中継に人気が集まった。全体の満足度は3・79。男性は3・84だった。

 

 もちろん村田が5月に不可解な判定負けを喫したWBA世界ミドル級タイトルマッチから155日目の再戦というサイドストーリーはあったものの、全局同じ内容のものだと、関心が低い視聴者にとっては「別の一品」を注文したくなるもの。かつて昭和から平成に時代が移った日も激動の時代を振り返る番組ばかりで、当時のレンタルビデオ店に客が殺到、貸し出せるビデオがほとんどなくなった。皇室関連の番組を各局同じような内容で放映した際にも、旅番組を放送した局が視聴率を大幅アップした、ということもあった。

 

 衆議院選挙は国の方向性を決める上で報道しなければならないことは疑う余地がない。しかし、全局こぞって、ではなくても何ら問題はない。そこは他局さんにお任せして、私たちは別物で…というスタンスもこれからありだと思う。ボクシング中継が先に決まり、衆院選がたまたま同日になったという偶然の産物だが、今回はいい「実践演習」となった。