プロ野球の日本シリーズはパ・リーグ優勝のソフトバンクがセ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)をリーグ3位の成績から勝ち上がった、DeNAを4勝2敗で退け、日本一となった。

 6戦の地有形の満足度を見ると、時代は変わっても日本人の“判官びいき”気質が垣間見える。初戦から3戦目までソフトバンクが3連勝した際の視聴者満足度は、順に3・27、3

・56、3・38。それがベイスターズがルーキー浜口のあわやノーヒットノーランという好投で快勝した第4戦で3・95、接戦のシーソーゲームでDeNAが連勝した第5戦も3・93を記録。これはソフトバンクがサヨナラで優勝を決めた第6戦の3・78よりいずれも高かった。

 

 CSから日本シリーズまでDeNAに付いて回った枕詞は“下克上”だった。戦国時代の風習のごとく、順位の下のチームが上のチームを倒して、のし上がっていくさまを表した言葉だが、スポーツファンはこの手のストーリーが割と好きである。

 

 視聴者の感想の中で多かったのが「どちらのファンでもないが…」という言葉。どちらかのチームのファンなら応援しているチームが勝てば満足度は上がるし、逆もまたありだろう。しかし、「どちらのファンでもないが…」という野球ファンが高満足度を示している背景には、劣勢なチームに頑張ってもらってプロ野球が盛り上がり、あるいはペナントレース3位のチームが、シリーズ3連敗から4連勝で優勝というストーリーを期待していることが少なからずありそうだ。

 

 日本シリーズというプロ野球界最高峰の戦いという位置づけを考えれば、CSに勝ったとはいえ、リーグ優勝の広島と10ゲーム以上の差を付けられたチームが「日本一」になったらかなり複雑な気分に個人的にはなる。それはともかく、リアルな生活でなかなか逆転を体験できない多くの人々にとって、今年の日本シリーズは、せめてプロ野球で夢を、と思い描いた秋の夜長の6試合だった。