リオデジャネイロ五輪の代表選考会を兼ねて行われた13日の名古屋ウィメンズマラソンは、田中智美(28、第一生命)が2時間23分19秒の2位に入り、わずか1秒差で小原怜(25=天満屋)を振り切った。日本陸連は17日、リオ五輪のマラソン代表を発表。女子は日本陸連の設定記録2時間22分30秒をただ一人突破し、日本歴代7位の2時間22分17秒で大阪国際を制した福士加代子(33=ワコール)、昨夏の世界選手権で7位に入り代表が内定していた伊藤舞(31=大塚製薬)、そして田中の3選手に決まった。

 

 フジテレビ系で生中継されたレースの視聴者満足度は3・70で高満足度基準をクリア。「近年まれにみる混戦で手に汗握る感動的なレースだった」(50歳男性)「し烈な戦いがあり1秒の差で明暗をわけ、これだけのドラマがあるとは思わなかった」(58歳女性)と最後の最後まで、五輪出場枠をめぐるギリギリの戦いには視聴者も大興奮。加えて引退する可能性のある、かつての五輪金メダリスト野口みずきの2年半ぶりの完走にも「感動した」(32歳男性)など、見どころ十分のレースだったことがうかがえる。

 

 わずか1秒を上回るための2年間だった。田中は14年の横浜国際で優勝しながら15年8月の世界選手権の代表から漏れた。理由はレース全般で先頭を追わないなど、日本陸連理事会から「消極的」と判断されたことだった。

 

 文句のつけようのない走りをするしかない。以来、スピードとスタミナを中心に強化。大好物のビールを断ち、リオ五輪出場にすべてをつぎ込んでの結果だった。

 

 学生時代は無名。第一生命入社後の練習にも当初はついていけなかった。それが、地道な練習と努力でついに五輪出場を果たした。五輪の女子マラソンは8月14日。心からうまいと思えるビールを飲む日にしたい。