2010年バンクーバー五輪で銀メダルを獲得した女子フィギュアスケートの浅田真央さん(26)が引退した。10日夜にブログで発表したものだったが、この一報を知ったのは多くの人が午後11時前のTBSのニュース速報テロップだった。

 

 その直後に始まった「NEWS23」では、引退の速報とともに、真央さんのこれまでをまとめたVTRが流された。即席で編集したとは思えないほどまとまった内容に「引退情報をつかんでいて、ブログでのアップを待っていたのではないか」という見方もできるが、それはともかく、12日の引退会見はNHKが生中継するなど、一人のスポーツ選手の引退としては異例の番組編成が相次いだ。

 

 引退会見の夜には各局とも特別番組が急きょ組まれた。フジテレビが午後7時から放映した「引退特別番組 浅田真央26歳の決断~今夜伝えたいこと~」の視聴者満足度は3・

95。高満足度基準を大きく超えた。フィギュアに関しては、若年層にはそれほど関心がないという傾向にあるが、この特番を見る限り20歳から34歳の「F1層」が高い評価をしており、男性は4・00、女性は満点に近い4・83を記録した。

 

 「お疲れ様」「引退して寂しい」という声は視聴者共通のものだが、「ぐっときた」(24歳女性)のように、華やかさの裏にある葛藤や苦しみを乗り越えての競技人生に同世代として何かを感じ、共感を得た結果が高い満足度につながったといえる。

 

 情報があるゆる方向から、あらゆる媒体から入手できることを体感している平成生まれの世代は、頑張ることや努力することが必ずしも素晴らしい結果を生むとは限らないと“悟っている”雰囲気が漂う。しかし、表面は冷めているように見えても心中期するものはすれぞれ持っているのではないか。真央さんのフィギュアととことん向き合った姿に、自分も、と心動かされた若者は少なくないはずだ。